臥風流吟詠会

詩吟とは

詩吟は漢詩に節調をつけてリズミカルに歌います。漢詩や和歌・近体詩などを歌うことから「吟詠」といっております。
もともと詩や歌を朗唱することは 昔から日本人の生活の中で広く行なわれていたことであります。
詩吟は、千年以上の歴史がありますが最も盛んであったのは幕末の頃で、武士階級の歌として、武士の間で盛んに吟じられたのであります。しかしながら、当時の詩吟は吟ずるというよりも大声を張りあげて、 悲憤慷慨するという表現のほうが適切であったのではないかと思われます。
明治時代を経て大正時代に入ってから今日の詩吟の吟法が確立されたといわれておりますが、当初は二つの流派であったものが、それぞれに分派が分派を生みといった具合で、今日では、千以上もの流派がありまして、詩吟人口も全国で三百万人とも四百万人ともいわれるほどの隆盛をきたしております。
これは、太平洋戦争後の荒廃した世相の中で日本人として人間性の回復を求めて、古典芸能として日本人の心の歌である詩吟がだんだんとブームを呼ぶようになったものと思われます。
戦後、音楽が非常に普及されるにつれて、詩吟も次第に音楽的な要素が重要視されてきまして、リズムとか音程とか発音、発声とか、声楽の一つとして詩吟が見直されるようになって、最近の吟詠は質的に非常に向上して、古典芸能としてのすばらしい吟詠になりつつあることは誠に喜ばしいことであります。最近では、尺八とか詩吟専用の楽器(コンダクター)などに合わせて、吟ずることができ、老若男女の区別なくどなたでも気軽に、詩吟を楽しむことができます。

詩吟七つの楽しみ

あなたの生活に愉快さをプレゼント

あなたにお尋ねします。「最近、いらいらしたり、むしゃくしゃしたりしたことはありませんか?」
あって当然、心理学者も今の世相を評して”抑圧と葛藤の社会”といっています。ところで、今度”いらいら”や”むしゃくしゃ”を感じたら、ぜひ、一吟やってみてください。
不思議なほど心が落ち着き、どこかのコマーシャルではありませんが、スカッとさわやか、気持ちがすっきりします。
昔から日本人は嬉しいにつけ、悲しいにつけ、詩歌を口ずさみ、心の満足を得てきました。これは私たちの祖先の英知が生んだ”生活の知恵”です。
まして、吟詠は日本のうたものの中でも最も日本人の感情表現にあったものであり、一吟やれば、心のうさなどすっとんでしまいます。

いつのまにか姿勢がよくなります

吟詠を始めて一、二年たった人が、「最近、周囲の人に立っている姿勢が大変よくなったといわれる」とよくいいます。これはすばらしいことですが、当然のことでもあるのです。
詩詠ではよくひびく声をいい声といいっていますが、そのいい声を出すにはいい姿勢が必要条件です。猫背のような前かがみや左右いびつの姿勢では決していい声は出せません。
そこで、いい声を出そうとして工夫を重ねれば自然といい姿勢になるのです。ちなみに、一流の吟詠家は皆いい姿勢をしています。

病気を予防、健康を約束します

吟詠をする人には健康・長寿の人が多いといわれていますが、これにも明確な根拠があります。
吟詠は豊富な息を必要としますので、からだに無理のかからない自然な呼吸法として腹式呼吸と胸式呼吸を併用します。これは同時に全身の運動を呼び、血液循環をよくします。結果として、病気のもとになる血液の酸性化を防ぎ、 健康維持に大きな効果を発揮するのです。からだ全体の新陳代謝を促進しますので、女性の場合は美容にも効果があるといわれています。

引っ込み思案を追放します

吟詠ではからだ全体で”詩歌を吟じ、詩歌の心を表現”するものです。吟じながら、あるいは吟じたあと、必ず、自分の心が鼓舞されるのを覚えます。
これは人前でくり返しくり返しやっているうちに、臆病・引っ込み思案はいつしか追放され、積極人間、意欲人間が作られていきます。
最近、若い青少年の間でも詠吟に親しむ人たちがふえていますが、彼らは「吟詠のおかげで人前であいさつをしたり、 意見を発表したりするときもアガらなくなった」といっています。

楽しんで味わえる心の栄養剤

吟詠の素材となる詩歌の多くは昔の偉人や豪傑、あるいはすぐれた学者や文学者の作になるものです。これらの作品はその作者の人生に対する考え方とか、信念といったものがにじみ出ています。 これらの詩歌を吟じるうち、作者の人生に対する考え方を自分なりに受けとめて、みずからの人生のバックボーンを築く、貴重な”心の栄養剤”にすることができます。

人生再発見のきっかけも作ります

吟詠の素材には人生の教訓や哀歓を詠じたもの、歴史やその史蹟を詠じたもの、自然やその動きを詠じたものなど、その内容は非常に変化に富んでいます。 しかも、前項でも紹介したように、それらは皆一様にすぐれた人物の作品です。 それらの詩歌を吟じながら、みずからの知的世界を広げ、自分の人生の再発見をすることもできます。

いい友、すばらしい仲間との出会いがあります。

吟詠は今、全国的に盛んで、どこの街でも必ずといってもいいほど、いくつかの教場があります。
そこで、大勢の人たちが気軽に吟詠を楽しんでおります。同じ吟に親しむ仲間とあって、お互いに心を開き、和気藹々としたムードの中ですばらしい人生を送っております。最近、吟詠の人口が老若男女を問わず、年々増加しているのは、そうしたすばらしい人生があるからでしょう。

吟詠会入会については、随時受付をいたしております。お気軽にお問合せください。

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